澤井 仁美[さわい ひとみ]化学・物質工学コース 准教授

「ごはんを食べて生きている!」

当たり前のことだけど、からだの中ではどんなことが起きていて、私たちは健康を維持できているのでしょうか?
からだをつくるタンパク質の形とはたらきを詳しく調べることで、「生きる仕組み」を化学の言葉で説明してみませんか。

専門分野
生命金属科学、タンパク質科学、生化学
研究
 からだの中で鉄分がはたらく仕組みを精密に調べています。私たちのからだは、主に水・タンパク質・脂質からできていますが、その他にも微量に含まれる「金属」が、からだの調子を整えてくれています。食物からとり込んだ金属は、からだの中にそのまま存在しているのではなく、色々な「タンパク質」に結合して機能しています。私は、からだの中ではたらく金属のうち、最も重要な「鉄」に注目し、鉄を利用するためにはたらく多種多様なタンパク質の形をÅ(オングストローム、100億分の1メートル)の精度で調べています。
 からだの中の「金属」は多すぎても少なすぎても病気になります。金属をうまく利用するための「タンパク質の機能と形を精密に理解すること」で、病気を治すための「新しい医薬品のデザイン」や、食品から安全に効率よく栄養素を摂取するための「栄養強化素材の開発」に貢献できます。