榎波康文 [えなみ やすふみ]電気電子工学コース 教授

2020年4月にコロラドにある米国企業から着任しました。工学部での教育研究は単なる学問探求のためだけではなく、その成果を社会に還元することも目的としています。学部では基礎勉強をしますが4年生になるとそれを用いて応用するための研究が始まります。基礎的な勉強は社会にでてすぐには役立たないかもしれません。しかし将来皆さんが壁にぶつかったときにこれらの基礎力は非常に重要となります。大学ではすぐに役立つことではなく役に立つかたたないかわからないことを勉強するところであることを覚えておいてください。大学院前期に進むとさらに職人的な技術も必要となり、大学院後期では研究者に近いところまで上り詰めます。大学院に進まず会社に進んでもまず職人的なことをやることから始めます。どのような道に進むにしても工学部での勉強は将来皆さんのためになるということだけは言えると思います。米国においては工学部に進める学生はごく一部の選ばれた人達であることも覚えておいてください。

専門分野
光科学、フォトニクス(光学と電子工学を融合する分野)、光デバイス、高周波デバイス、光通信、バイオフォトニックスセンサ
研究
インターネットなどを使用する際には光を用いた通信が行われています。皆さんが気付かないところで光通信の技術が用いられています。光は電波より周波数が高いので多くの情報を扱うことができます。私は高速で消費電力の少ない光通信をするための光デバイス(超高速光変調器)研究を20年以上行ってきました。現在ではデータセンタでの低消費電力化と高速化がグーグル、フェイスブック、アマゾンなどの米国企業から求められています。近年ではデータセンタでの高速通信や低消費電力化のためにこの技術を用いて実用化するための研究開発を米国企業で行ってきました。その他の研究としてウィルスの存在場所を遠隔、その場で検知するための光デバイスとそのネットワーク化の研究も行っています。